<ウサギとカメのウルトラマラソン考>

ウルトラマラソンの必勝走法テクニック

【はじめに】

ウルトラマラソンではエイドで休憩する時間がゴールタイムに大きく影響することが最近経験的に分かってきました。休憩時間とゴールタイムの関係は、数式(とはいっても小学算数)の上で説明するとどうなるか興味があり計算してみました。それと同時に、エイドで休憩する時間は休憩後のペースアップによって挽回できるのかどうかも調べてみました。
いつものんびり走っているのでゴールタイムなんてどうでも良い話ですが、やはり完走してなんぼのもんですから、いつも制限時間ぎりぎりで走っている者にとってはエイドの休憩時間というのは非常に大事な問題になってくるのであります(^^;)

念のため書いておきますが、
エイドの休憩時間に関して厳しいことが書いてありますけど、ウルトラマラソンの大きな魅力はエイドで遊べることだと思うので、あまり気にしすぎないでくださいね。

休憩時間とゴールタイムの関係

距離がx [km]のウルトラマラソンを走る場合を考えます。イメージしやすいようにペースは速いけれどもエイドでたくさん休むウサギ君と、ペースは遅いけれどもエイドであまり休まないカメ君にご登場願いましょう。

エイドの数をN [エイド]、ウサギ君の平均RUNペースをa [分/km]、カメ君の平均RUNペースをb [分/km]、各エイドにおけるウサギ君の休憩時間を平均m [分/エイド]、カメ君の休憩時間を平均n [分/エイド]とします。

ウサギ君がゴールに要する時間Tウサギとカメ君がゴールに要する時間Tカメは次の式で表すことができます。

式1

100キロマラソンの一例を示しましょう。エイドが24箇所(これは丹後ウルトラのエイド数)、ウサギ君のペースは6分/キロ、カメ君のペースは7.5分/キロ、ウサギ君の休憩時間は各エイド8分、カメ君の休憩時間は各エイドで2分とすると、つまりx = 100 [km]、N = 24 [エイド]、a = 6 [分/km]、b = 7.5 [分/km]、m = 8 [分/エイド]、n = 2[分/エイド]として考えてみます。

このとき、ウサギ君がゴールに要する時間Tウサギは600+192=792分=13時間12分、カメ君がゴールに要する時間Tカメは750+48=798分=13時間18分となります。ウサギ君とカメ君は走るペースが1キロあたり1.5分も違いますが、各エイドで休憩する時間が6分違うと、ゴールではたったの6分しか差がありません。休憩時間がゴール時間に大きく影響することがイメージできたと思います。

ではもう少し数式をいじってみます。
速く走ってたくさん休むウサギ君と、のんびり走ってあまり休まないカメ君とでは、ウルトラマラソンではゴール時間がどう変わってくるのか調べてみます。

どちらがどれだけ早くゴールするかはゴールに要する時間の差をとれば分かります。つまりウサギ君とカメ君のゴール時間の差ΔTは

式2

で求めることができます。式から一目瞭然ですが、ウサギ君の方が早くゴールすればΔT<0となり、ウサギ君とカメ君が同着ならばΔT=0となり、カメ君の方がウサギ君よりも早くゴールすればΔT>0となります。

a,b,x,m,nと変数が5つもあるので、適当な数字を入れて変数を減らします。

100キロマラソン(x=100)でエイドの数が24箇所(N=24)とします。大会によってはエイドの数が40箇所近くもあることがあるようですが、ランナーズウェルネス主催の大会では大体20〜30箇所くらいなのでまぁ良しとします。N=24というのは4キロごとにエイドがあることに対応します。

ウサギ君のペースaを6 [分/km]、カメ君のペースbを7.5 [分/km]、 ウサギ君の各エイド休憩時間mを8 [分/エイド] に固定します。このペースはこのページに興味がある人たちのレベルに妥当な数値だと想像します。すると変数はカメ君のエイド休憩時間nのみとなり、つまりこの時、ΔTはnの一次関数として表すことができます。

式3

この式を見て分かることは、カメ君が各エイドで1分間休むとゴールではウサギ君との時間差が24分になることです。
逆にいうとカメ君が各エイドで休憩時間を1分縮めるとウサギ君とのゴール時間差が24分ずつ縮まることになります。

n(カメ君の休憩時間)の係数である24という数字はエイドの数であり、従ってエイドの数が多ければ多いほど、ペースの遅い人はあんまり休んではいられないということが分かります。逆にいうとペースの遅い人でもエイドであまり休まなければ、どんな大会でも完踏は夢ではないということが理解できました。
(エイドで休まなければその分ゴール時間が早くなるのは、まぁ当たり前の話ですけどね。)

休憩挽回に必要なペースアップはどれほど?

次に、エイドで休憩した時間を休憩後のペースアップによって挽回するためにはどれほどのペースアップが必要となるか検討してみます。これは小生の場合、エイドで仮眠をしたものの寝すぎてしまった場面を想定しています(苦笑)

距離x [km] の間にエイドがN箇所あった場合、各エイド間の距離yは 式4 [km] となります。

平均ペースa [分/km]で走っていて、エイドでm [分]休んだとすします。もし休憩後にエイドで休んだ時間を取り戻そうとぺースアップするならば、どれくらいペースアップしないといけないかを考えます。

休憩前のペースをa [分/km] 、休憩後のペースをb [分/km] とすると、休憩前と休憩後のスピードの差は(a-b) [分/km]となります。

エイドで全く休むことなく走った場合、エイド間にかかる時間はya [分] となります。一方、エイドでm分休んだ後 b [分/km] で走ったとすると次のエイドまでにかかる時間は(yb + m) [分] となります。

休んだ時間を取り戻すためには ya = yb + m を満たすようなb [分/km]のペースで走らないといけません。

すなわち

式5

100キロマラソンを意識して、距離x=100 [km]、エイド数N=24 [エイド] とするとエイド間の距離yは4 [km] となり、さらに休憩時間m=8[分] を仮定してみると

式6

つまり1つのエイドで8分間休むと、1キロあたり2分も速く走らないと休んだ分は取り戻せないことになります。

キロ2分のペースアップは現実ではかなり難しいですね。
ここで面白いのは、ペースアップするべき量は、休憩前のペースaにも休憩後のペースbにも単独では依存せず、(a-b)という形で式に現れることだと思います。キロ5分で走るランナーもキロ8分で走るランナーも、休憩した分を取り戻すには同じ量のペースアップが要求されるということです。現実世界で考えると、もともとペースの速い人ほど取り戻しが難しいということですね。

挽回可能な休憩時間

ではエイドで休んだ分をRUNで取り戻したい人は、エイドで休んで良い時間は何分となるのでしょう?

ペースアップできるのは、頑張っても1キロあたり10秒〜30秒くらいでしょう。
登り坂から下り坂になったなどと都合のいいように(たくさん休めるように)、1キロあたり1分として見積もってみます。数値は先ほどと同じく距離x=100 [km]、エイド数N=24 [エイド] エイド間の距離yは4 [km] とします。

挽回可能な休憩時間は
式7 から、4分までとなります。たったの5分でも仮眠をしたら挽回不可能ということが分かりました。これは予想以上に厳しい数値でした。
「仮眠するときは覚悟しろ」ということですね。

【まとめ】

(考察日:2004年7月12日)


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